画像引用元：スーパーおっかさん公式サイト
匿名さんおっかさん（おっ母さん食品館）の閉店が相次いでいるようですが、なぜこんなに閉店してしまうのでしょうか？立地も悪くない店舗も多かったのに…
筆者確かにおっかさんの閉店が目立っていますね！でも実は、これには地域スーパー業界全体に共通する深刻な理由があるんです。競合激化と立地問題、さらに新しい事業戦略への転換が関係していて、単純な経営不振とは少し違うんですよ！
近年、千葉県を中心に展開する「おっ母さん食品館」（愛称：おっかさん）の閉店が相次いでいることが注目されています。2023年から2024年にかけて、墨田区、野田市、越谷、松戸市などで複数店舗の閉店が確認されており、地域住民からは困惑の声が上がっています。
- おっかさん閉店の具体的な理由と背景事情
- スーパー業界の競争激化が地域スーパーに与える影響
- 立地戦略の変更がもたらす店舗運営への影響
おっかさん閉店理由は？
スーパー業界における競争環境の激変
おっかさんの閉店理由を理解するには、まずスーパー業界全体の厳しい競争環境を把握する必要があります。近年のスーパー業界では、大手チェーンの積極的な出店攻勢に加え、ドラッグストアやコンビニエンスストアの食品強化により、従来型の地域スーパーは厳しい立場に追い込まれています。
農林水産省の調査によると、2020年時点で買い物弱者は全国で904万人に上り、地域密着型スーパーの閉店が社会問題化していることが明らかになっています。
株式会社三和が運営するおっかさんも、この業界全体の構造変化の影響を強く受けているのが現状です。同社は千葉県柏市に本社を置き、現在14店舗の「おっ母さん食品館」を展開していますが、古い店舗の収益性低下と新しい立地戦略への転換が、一連の閉店の背景にあります。
ドラッグストアとの一体型店舗への戦略転換
三和は近年、従来の単独店舗運営から、ドラッグストア「クリエイトエス・ディー」との一体型店舗へと出店戦略を大幅に変更しています。2018年12月にオープンした「おっ母さん食品館北柏店」を皮切りに、現在では8店舗がこの一体型モデルで運営されています。
この戦略転換により、採算性の低い古い単独店舗は段階的に閉店し、より効率的な複合商業施設内への出店に経営資源を集中する方針を取っています。ダイヤモンド・リテイルメディア
一体型店舗のメリットと従来店舗の課題
一体型店舗の主な利点
- 共同駐車場による来客数の相乗効果
- 運営コストの効率化
- 医療モール併設による集客力向上
- 土地取得・建設コストの削減
従来単独店舗の課題
- 建物の老朽化に伴う維持管理費の増大
- 駐車場確保の困難
- 近隣への大型商業施設進出による顧客流出
- 人手不足による運営体制の悪化
競合他社の影響と市場環境の変化
おっかさんが展開する千葉・埼玉・茨城エリアでは、イオンやヤオコー、カスミといった大手スーパーチェーンの出店が相次いでいます。これらの大手企業は豊富な資金力を背景に、より良い立地への出店や設備投資を積極的に行っており、地域スーパーの経営を圧迫しています。
また、業務スーパーやオーケーストアなどの低価格業態の進出も激しく、価格競争力で勝負してきたおっかさんにとって新たな脅威となっています。
立地問題が与える経営への深刻な打撃
駅前立地の賃料上昇と収益性の悪化
おっかさんの閉店店舗の多くが駅前という好立地にありながら閉店に至ったのは、近年の不動産価格上昇が大きく影響しています。特に梅郷駅前店や北小金駅前店など、駅徒歩圏内の店舗でも閉店が相次いでいることが、この問題の深刻さを物語っています。
駅前立地は集客力が高い反面、賃料負担も重く、売上高に対する適正な賃料率を維持することが困難になっているケースが多く見られます。特に築年数の経った商業ビルでは、設備の老朽化により投資効果が見込めず、継続的な運営が困難になっているのが実情です。
テナント契約更新時の条件悪化
商業施設内のテナント店舗では、契約更新時に賃料の大幅な値上げを要求されるケースが増加しています。不動産市場の活況により、より高い賃料を支払える他業種のテナントとの競争が激化しており、従来の条件での契約継続が困難になっています。
おっかさんのような地域密着型スーパーは、商品の低価格設定により利益率が低く、賃料上昇に対する対応力が限られているため、やむを得ず撤退を選択するケースが増加しています。
立地選定基準の変化
従来の立地選定基準
- 駅からの距離（徒歩圏内優先）
- 住宅密集度
- 競合店舗との距離
- 駐車場の確保可能性
新しい立地選定基準
- 複合商業施設への入居可能性
- ドラッグストアとの一体運営の実現性
- 長期的な地域開発計画との整合性
- 初期投資額と回収見込みのバランス
商圏人口の変化と顧客動向の多様化
住宅地の高齢化や若年層の都市部流出により、従来のおっかさんの主要顧客層である地域住民の購買行動にも変化が見られます。高齢者の増加により買い物頻度は減少し、一方で働き世代はネットスーパーやコンビニエンスストアの利用頻度を増やしており、従来型の店舗運営では対応が困難になっています。
また、新型コロナウイルスの影響で消費者の買い物パターンが変化し、まとめ買いやオンライン購入が定着したことも、実店舗の売上減少に拍車をかけています。
三和グループの新戦略
鮮魚・青果専門店事業への注力
株式会社三和は、スーパーマーケット事業だけでなく、鮮魚専門店「海宝丸」や青果専門店「越後屋」といった専門店事業も展開しています。現在、海宝丸は19店舗、越後屋は1店舗を運営しており、これらの専門店事業の方が収益性が高いことから、経営資源の配分を見直している可能性があります。
同社の強みである「市場直送の鮮度と安さ」を最大限に活用するには、専門店業態の方が差別化を図りやすく、競争力を維持できると判断されているようです。
ドラッグストア一体型モデルの本格展開
三和は2018年以降、クリエイトエス・ディーとの協業による一体型店舗の展開に経営の軸足を移しています。この新しいビジネスモデルでは、以下のような相乗効果を期待できます：
生鮮食品とドラッグストアの相乗効果
- 日用品と食品のワンストップショッピングの実現
- 高齢者層の利便性向上（医薬品と食品の同時購入）
- 共同販促による集客効果の最大化
- 運営コストの効率化による収益性向上
新業態への投資集中による既存店舗の整理
限られた経営資源を新業態への投資に集中するため、収益性の低い既存店舗の整理が加速しています。特に以下の条件に該当する店舗は閉店対象となりやすい状況です：
- 築10年以上の単独店舗
- 年商10億円未満の小規模店舗
- 駐車場が不十分な立地の店舗
- 近隣に競合大型店が出店済みのエリア
地域密着型から効率重視型への転換
従来の「地域に根ざした商店」という位置づけから、「効率的な商業施設運営」を重視する方針への転換が進んでいます。この変化により、地域住民からは「身近なスーパーがなくなって不便」という声が上がる一方で、企業としては持続可能な経営を実現するための合理的な判断と言えます。
今後の展望：地域スーパーの生き残り戦略
同業他社の動向と市場予測
スーパー業界全体では、中小規模の地域スーパーの淘汰が進む一方で、特色ある商品やサービスで差別化を図る企業は成長を続けています。おっかさんを運営する三和も、生鮮食品の専門性を活かした新しいビジネスモデルの構築により、この競争を乗り切ろうとしています。
業界予測では、2030年までにスーパーマーケット市場は22兆6千億円規模まで成長すると見込まれていますが、企業間の格差は更に拡大すると予想されています。
地域住民への影響と対策
おっかさんの閉店により、特に高齢者を中心とした「買い物弱者」の増加が懸念されています。対策として、以下のような取り組みが各地で検討されています：
自治体レベルでの対応策
- 移動販売車の導入支援
- コミュニティバスの運行拡充
- ネットスーパーの利用促進事業
- 地域商店街の活性化支援
民間企業による代替サービス
- 生協の宅配サービス強化
- コンビニエンスストアの食品充実
- ドラッグストアの食品売場拡大
- オンライン食材宅配の普及
関連Q＆A
おっかさんはどこの企業のものですか？
. 株式会社三和（千葉県柏市）が運営しています。
おっかさんの店舗数は？
「おっ母さん食品館」は関東（千葉、埼玉、東京、茨城、神奈川）に14店舗展開しています。
北千住のおっかさんの営業時間は？
北千住店「おっ母さん食品館 北千住店」の営業時間は 9:00〜20:00（毎日）。
おっかさん食品館の営業時間は？
店舗によって異なりますが、例えば柏の葉キャンパス店は 10:00〜20:00 の営業時間です。
まとめ
おっかさん（おっ母さん食品館）の閉店は、単純な経営不振ではなく、スーパー業界全体の構造変化と三和グループの戦略的な事業転換が主な要因となっています。競合激化による収益性悪化、立地コストの上昇、そしてドラッグストア一体型という新しいビジネスモデルへの経営資源集中が、一連の閉店の背景にあることが分かりました。
今後の三和グループは、従来の地域密着型スーパーから、より効率的で差別化された複合商業施設運営へと舵を切っています。この変化は、短期的には地域住民に不便をもたらすかもしれませんが、長期的な企業の持続可能性を考えれば必然的な選択と言えるでしょう。
地域住民の皆さんには、新しい買い物環境への適応が求められる一方で、行政や他の民間企業による代替サービスの充実に期待したいところです。おっかさんの新しい一体型店舗も、従来以上に便利で魅力的な買い物環境を提供してくれることでしょう！
この記事は2025年9月現在の情報に基づいて作成されています。店舗の営業状況や企業の方針は変更される場合がありますので、最新情報は各店舗または株式会社三和の公式サイトでご確認ください。
