画像引用元:HONDA公式サイト
男性ホンダeがもう生産終了って本当ですか?せっかく可愛いデザインで気に入っていたのに、なぜこんなに早く販売終了になってしまったんでしょう?



確かにホンダeは魅力的な電気自動車だったのですが、残念ながら2024年1月に生産終了となりました。その背景には複数の要因があるんです!今回はホンダe 生産終了 なぜという疑問にお答えしていきますね!
ホンダ初の本格的な量産電気自動車として2020年10月に日本市場に登場した「ホンダe」。その愛らしいデザインと先進的な機能で多くの注目を集めましたが、わずか3年4カ月という短期間で生産終了となりました。この記事では、なぜホンダeが早期に生産終了に至ったのか、その理由を詳しく解説します。
- ホンダe生産終了の具体的な理由と背景
- 販売台数の実績と目標との乖離
- 航続距離問題が及ぼした影響
ホンダe生産終了なぜ?販売不振が最大の要因


計画を大幅に下回った販売実績
ホンダeの生産終了の最大の理由は、深刻な販売不振にあります。ホンダが設定した年間販売計画は日本国内で1000台という控えめな目標でしたが、実際の販売実績は3年間でわずか約1800台にとどまりました。これは年平均にすると600台程度であり、計画を大幅に下回る結果となっています。
販売会社からの厳しい評価
関東圏のホンダ系販売会社幹部は「うちでは1台も売れなかった。価格が高い一方で、航続距離が短く、使い勝手がよくなかった」と東洋経済の取材に対して率直に語っています。中部地方の販売会社でも同様の状況が報告されており、全国の販売現場での苦戦が浮き彫りになっています。
欧州市場での更なる失敗
実は、ホンダeの開発・販売戦略は欧州市場に重点を置いていました。年間1万台の販売を計画していた欧州市場では、3年間で約1万1000台の販売にとどまり、計画の3分の1という壮絶な結果となりました。この欧州での大失敗が、生産終了の決定打となったと考えられています。
| 市場 | 販売計画(年間) | 実績(3年間累計) | 達成率 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 1,000台 | 約1,800台 | 約60% |
| 欧州 | 10,000台 | 約11,000台 | 約37% |
| 合計 | 11,000台 | 約12,800台 | 約39% |



この数字を見ると、いかにホンダeの販売が厳しかったかが分かりますね!特に主戦場と考えていた欧州での失敗は痛手でした!
航続距離の短さが招いた実用性への疑問
WLTC259kmという現実的な課題
ホンダeの航続距離は、WLTCモードで259km(アドバンスグレード)という設定でした。35.5kWhという小容量のバッテリーを意図的に採用したことで、この航続距離になりましたが、これが最大のネックとなりました。
他社EVとの航続距離比較
当時販売されていた競合EVとの比較では、ホンダeの航続距離の短さが際立っていました:
| 車種 | バッテリー容量 | 航続距離(WLTC) | 価格 |
|---|---|---|---|
| ホンダe アドバンス | 35.5kWh | 259km | 495万円 |
| 日産リーフ | 40kWh | 322km | 332万円〜 |
| 日産リーフ e+ | 62kWh | 458km | 499万円〜 |
| テスラモデル3 | 57.5kWh | 448km | 511万円〜 |
エアコン使用時の更なる航続距離短縮
実際の使用では、エアコンや暖房使用時に電力消費が増加し、実質的な航続距離は150km程度まで短縮される可能性がありました。特に冬季の暖房使用時には、従来のガソリン車とは異なり電気で熱を作り出す必要があるため、大幅な電力消費となります。
都市型コミューターとしての割り切り設計
ホンダの開発陣は「航続距離は短いけれど、だからこそクルマが小さくできた」と説明していました。欧州の都市部での短距離移動に特化した「都市型コミューター」としての位置付けでしたが、この割り切った設計が市場に受け入れられませんでした。



確かに都市部での短距離移動なら問題ないのですが、『もしもの時』を考えると不安になってしまいますよね!
価格設定の課題:コストパフォーマンスの問題


495万円という高価格設定の背景
ホンダeの上級グレード「アドバンス」の価格は495万円に設定されていました。この価格には最新の液晶インパネ、デジタルサイドミラー、後輪駆動(RR)レイアウトなど、先進技術がふんだんに盛り込まれていましたが、市場には「高すぎる」と受け止められました。
「売れば売るほど赤字」の構造
実は、ホンダe開発陣の技術者が「売れば売るほど赤字になるんですよ」と報告していたという驚きの事実があります。このことからも、価格設定に無理があったことが伺えます。
赤字要因の分析
- 高コストな専用プラットフォーム:RRレイアウトの専用設計
- 少量生産によるコスト増:年産1000台レベルでは量産効果が得られない
- 先進技術の採用コスト:液晶インパネやデジタルミラーなど
- バッテリー調達コスト:小容量でも単価の高い高品質バッテリー
競合他社との価格競争力不足
同時期に販売されていた他社EVと比較すると、ホンダeのコストパフォーマンスの悪さが明確になります:
| 比較項目 | ホンダe | 日産リーフ | 価格差での評価 |
|---|---|---|---|
| 価格 | 495万円 | 332万円〜 | △163万円高 |
| 航続距離 | 259km | 322km | △63km短 |
| バッテリー容量 | 35.5kWh | 40kWh | △4.5kWh少 |
| 室内空間 | 4人乗り | 5人乗り | △1人少 |



この比較表を見ると、ホンダeの価格設定がいかに厳しかったかが分かります!魅力的な技術はたくさんあったのですが、価格面での訴求力が不足していました!
市場ニーズとのミスマッチ
趣味性重視 vs 実用性重視
ホンダeは「走る楽しさ」を重視した設計思想で開発されました。RRレイアウトによる優秀なハンドリング、ミシュラン パイロットスポーツ4タイヤの採用など、走行性能にこだわった仕様でした。しかし、EV購入者の多くは実用性や経済性を重視する傾向があり、このギャップが販売不振につながりました。
ターゲット顧客層の誤算
想定していたターゲット
- 欧州の富裕層のセカンドカー需要
- デザイン重視の都市部住民
- 環境意識の高い先進的ユーザー
実際の市場ニーズ
- 実用的な航続距離を求めるファミリー層
- コストパフォーマンスを重視するユーザー
- 長距離移動も可能なオールラウンドEV
充電インフラ整備状況との乖離
2020年当時の充電インフラ整備状況では、259kmの航続距離では「充電頻度が高すぎる」という課題がありました。特に:
- 急速充電器の絶対数不足
- 充電待ち時間の発生
- 地方での充電スポット不足
- 集合住宅での普通充電設備不足



当時の充電インフラを考えると、もう少し航続距離に余裕がほしかったところですね!
欧州戦略の失敗とブランド力不足
CAFE規制対応としての位置付け
ホンダeの企画は、欧州のCAFE(企業別平均燃費基準)対応を主目的としてスタートしました。これにより、利益率の高い「シビック タイプR」などの販売台数を増やす戦略でしたが、肝心のホンダe自体の販売が振るわず、戦略そのものが破綻しました。
欧州でのホンダブランドの立ち位置
欧州市場でのホンダのシェアはわずか1%程度と、非常に限定的でした。開発陣も「欧州において”HONDA”というブランドはメジャーではない」と認めており、この状況下で高価格なニッチEVを投入することの困難さが浮き彫りになりました。
欧州メディアの辛辣な評価
欧州の自動車メディアからは「デザインや走行性能は評価されたものの、航続距離が短すぎ。しかも高い」というネガティブな評価が多数寄せられました。2023年6月時点で39,900ユーロ(約630万円)という価格設定も、現地では「割高感」として受け止められました。
欧州EV市場の急速な変化
ホンダが予想していた以上に欧州EV市場は急速に進化しました:
- 大容量バッテリー搭載車の普及加速
- 充電インフラの整備進展
- 政府の購入補助金拡充
- Tesla Model 3などの強力な競合車登場



欧州での失敗は、市場の変化速度を読み間違えた結果とも言えそうです!
ホンダeの技術的な魅力と惜しまれる点


革新的な技術要素
生産終了は残念でしたが、ホンダeには多くの革新的技術が搭載されていました:
デザイン面での革新
- 初代シビックを彷彿とさせるレトロモダンなデザイン
- 全面液晶によるダッシュボード
- カメラを使ったデジタルサイドミラー
- 隠しドアハンドルによるスムーズなボディライン
走行性能での先進性
- RRレイアウトによる理想的な重量配分(50:50)
- 前後重量配分最適化による優秀なハンドリング
- 高性能タイヤ採用による上質な走行フィール
- 小回りの利く都市型設計(最小回転半径4.3m)
転用困難な専用技術の喪失
特に残念なのは、ホンダeのために新開発された技術群が、この短いモデルライフで消失してしまうことです:
- RRレイアウトの電動化ノウハウ
- 小型軽量化技術
- 高密度パッケージング技術
- 専用プラットフォーム「e:N」の初期型



技術的には本当に素晴らしいクルマだったんですが、市場との適合性が課題でした!
今後のホンダEV戦略への影響と教訓
後継車種「e:Ny1」での戦略転換
ホンダeの実質的な後継として欧州で発売される「e:Ny1」は、ホンダeとは正反対のアプローチを取っています:
| 項目 | ホンダe | e:Ny1 | 変更内容 |
|---|---|---|---|
| ボディタイプ | コンパクト | 小型SUV | 実用性重視 |
| 駆動方式 | RR | FF | コスト重視 |
| バッテリー容量 | 35.5kWh | 68.8kWh | 大容量化 |
| 航続距離 | 259km | 400km+ | 大幅延長 |
| 生産地 | 日本(寄居) | 中国 | コスト最適化 |
学んだ教訓と今後の方向性
市場ニーズの正確な把握
- 趣味性よりも実用性を重視する傾向
- 価格に対する航続距離の要求水準
- 充電インフラ整備状況との整合性
価格戦略の重要性
- 量産効果を得られる販売計画の策定
- 競合他社との明確な差別化要因
- コストパフォーマンスでの訴求力確保
グローバル戦略の見直し
- 地域別市場特性の詳細分析
- ブランド力に応じた製品戦略
- 現地生産によるコスト競争力確保



ホンダeでの経験を活かして、次世代EVではより市場に適合した製品を期待したいですね!
中古車市場での希少価値とお得感


生産終了による希少性向上
ホンダeは生産終了により、中古車市場では希少車となっています。2025年現在の中古車市場では
- 平均価格:約323万円
- 価格帯:約277万円〜432万円
- 平均走行距離:約1万km
- 流通台数:非常に限定的
中古車購入のメリット・デメリット
メリット
- 新車時より大幅な価格下落
- 走行距離の少ない上質な個体が多い
- デザイン・技術面での独自性
- 将来的なコレクター価値の可能性
デメリット
- 部品供給や修理対応の不安
- リセールバリューの不透明性
- 充電インフラとの適合性
- 保証面でのリスク



中古車としては魅力的な価格になっていますが、購入前にはしっかりとした検討が必要です!
他社EVとの詳細比較分析
同価格帯EVとの競合状況
ホンダeの495万円という価格帯での競合車種分析:
| 車種 | 価格 | 航続距離 | 特徴 | 競争力評価 |
|---|---|---|---|---|
| ホンダe アドバンス | 495万円 | 259km | デザイン・走り | ★★☆☆☆ |
| 日産リーフ e+ G | 499万円 | 458km | 実用性・安心感 | ★★★★☆ |
| テスラ Model 3 | 511万円 | 448km | 先進性・ネットワーク | ★★★★★ |
| BMW i3 | 546万円 | 359km | プレミアム・個性 | ★★★☆☆ |
各社のEV戦略との比較
Tesla:統合的エコシステム
- 充電ネットワーク「Supercharger」
- ソフトウェアアップデート対応
- 自動運転技術の先進性
日産:実用性重視のアプローチ
- CHAdeMO規格での充電インフラ整備
- バッテリーリースプランの提供
- e-Pedal技術による運転支援
ホンダ:技術重視だが市場適合性に課題
- 独自の技術開発への執着
- 市場ニーズとの乖離
- ブランド戦略の不明確さ



他社との比較を見ると、ホンダeは技術的には魅力的でしたが、総合的な商品力で劣っていたことが分かります!
関連Q&A
ホンダeのバッテリー交換費用はいくらですか?
メディアの目安で “約80万円” と言われてる。
メーカー保証(8年または16万kmでバッテリー容量70%未満など)であれば無償交換の対象になることもある。
ホンダのEV開発は終了した?
いいえ、完全には終了していない。Honda eは2024年1月に生産終了したが、ホンダは「Honda 0(ゼロ)シリーズ」など次世代EVの投入を計画している。
ただし、最近の市場環境を受けてEV戦略を見直し、ハイブリッド車 (HEV) の強化を併用する方向にシフトしている。
ホンダeとホンダeアドバンスの違いは何ですか?
主な違いは装備と性能調整
- エンジン(モーター)出力がアドバンスの方が高い。
- ホイールサイズやタイヤなど、走行性能やスタイルの違い。
- 装備(例:カメラミラーミラー、マルチビューカメラなど)がアドバンスの方が充実。
- 価格もアドバンスの方が高め。
まとめ
ホンダe 生産終了 なぜという疑問について、詳しく解析してきました。最大の要因は販売不振でしたが、その背景には航続距離の短さ、高すぎる価格設定、市場ニーズとのミスマッチなど、複数の課題が複合的に影響していました。
特に注目すべきは、ホンダが技術的な完成度を追求するあまり、市場の実用性ニーズを見誤ってしまった点です。259kmという航続距離と495万円という価格設定では、当時のEV市場での競争に勝てませんでした。
しかし、ホンダeで得られた技術的知見は決して無駄ではありません。後継のe:Ny1では、より実用性重視のアプローチに転換し、市場適合性を高めた製品戦略を採用しています。
今後ホンダがEV市場で成功するためには、技術力だけでなく、市場ニーズの正確な把握と適切な価格戦略が重要となるでしょう。ホンダeの教訓を活かした次世代EVの登場に期待したいところです。









