画像引用元:BABYDOLL公式サイト

この前ショッピングモール行ったら、ベビードールの店舗がなくなってて…閉店したんですか?なんか最近あんまり見ないですよね。



そう思っている方、実は多いんです!でもその背景には、ファッションのトレンドやブランドのイメージに関する“意外な理由”があるんですよ!
カラフルで目を引くデザインが人気だった子ども服ブランド「ベビードール」。一時代を築いたブランドに今、何が起きているのでしょうか?閉店の理由から“ヤンキーっぽい”と敬遠される背景まで、詳しく解説していきます。


ベビードール閉店なぜ?


子ども服ブランド「ベビードール」の閉店が相次ぐ理由
全国に展開していたポップな子ども服ブランド「BABYDOLL(ベビードール)」の店舗閉店が話題となっています。かつて親子コーデの代表格だったこのブランドが、なぜ今、撤退の道をたどっているのでしょうか。
少子化とファッション消費の変化
子ども服市場に直撃した人口減少の影響
日本の総人口に占める15歳未満人口は年々減少しており、2024年時点で11.5%と過去最低を更新しています。この影響を最も受けているのが、子ども服や育児用品などの市場です。
年度 | 15歳未満人口 | 割合 |
---|---|---|
2010年 | 約1,700万人 | 約13.3% |
2024年 | 約1,450万人 | 約11.5% |
📌出典:総務省統計局「人口推計」
ベビードールのようなキッズ向けブランドは、単純な「子どもの数」減少に比例して、販売機会も減っていきます。これは決してブランドの質に問題があるということではなく、環境的な要因が大きく影響していると言えるでしょう。
親のファッション意識も大きく変化
近年、20〜40代の親世代が「子どもにもシンプルで上質な服を着せたい」と考える傾向が強まっており、「目立つ」「キャラクターが前面に出る」といったデザインよりも、「無地」「ニュアンスカラー」「韓国系ファッション」などにシフトしています。
この傾向にベビードールの派手なデザインが合わなくなってきていることも、閉店の一因といえるでしょう。


ECシフトと実店舗の収益低下
コロナ禍で変わった購買行動
コロナ禍以降、実店舗の集客は激減。これにより、多くのアパレル企業は店舗を縮小し、EC(オンライン販売)に注力する流れが加速しました。
ベビードールも例外ではなく、楽天市場やYahoo!ショッピングへの出店強化とともに、実店舗の撤退が続いています。
変化点 | 以前(2019年) | 現在(2024年) |
---|---|---|
主力販売 | 実店舗 | オンライン |
店舗数 | 約60店舗 | 約20店舗以下(推定) |
販売手段 | 店舗・一部EC | 自社EC・モール型EC重視 |



今や「服はスマホで買う時代」。ECの強化は自然な流れですが、リアル店舗でのブランド体験が減るのは惜しいですね!
店舗運営コストが重くのしかかる
ショッピングモールのテナント費用や人件費、物流費など、実店舗の維持には多くのコストがかかります。売上が伸び悩む中でこれらのコストを吸収できない場合、閉店判断が避けられません。
加えて、出店していた施設の閉鎖や再編も、撤退に拍車をかけています。
実際に閉店が確認された店舗(一部)
地域 | 商業施設名 | 閉店状況 |
---|---|---|
大阪 | フォレオ枚方 | 閉店(2024年初) |
愛知 | mozoワンダーシティ | 閉店(2023年末) |
東京 | ららぽーと立川立飛 | 閉店(時期非公開) |
こうしたデータからも、実店舗での勝負が厳しいことがうかがえます。
競合ブランドとの差別化に課題
他ブランドの戦略との比較
現在の子ども服市場では、以下のようなブランドが高評価を得ています。
ブランド | 特徴 | 対象年齢 | 購入者傾向 |
---|---|---|---|
petit main | 上品・ナチュラル | 新生児〜小学生 | 高感度ママ層 |
BREEZE | トレンド・ストリート | 1歳〜12歳 | 男女問わず支持 |
バースデイ(しまむら) | プチプラ・実用性 | 新生児〜5歳 | コスパ重視層 |
BABYDOLL | 派手・キャッチー | 新生児〜6歳 | 一部のファン |
競合他社が「現代的デザイン」や「低価格かつ高品質」を前面に出しているのに対し、ベビードールは一定のファン層に支えられているものの、新規顧客の獲得には苦戦している状況です。



長年のファンにとっては魅力的でも、新規参入の親世代には「時代に合わない」と映る可能性があります!


ベビードールはヤンキー風デザインが大人にはダサい?


デザインイメージの変遷と固定化
ベビードールの最大の特徴は、カラフルで大胆な配色、大きな英字ロゴ、王冠マークといった派手なデザインです。こうしたビジュアルは一部では「元気でポップ」と評価される一方、「ヤンキー風」「古い」「ダサい」といった印象を持たれることも少なくありません。
これは、ブランドが育った2000年代のファッション潮流と深く関係しています。
2000年代のギャル・ストリート文化との結びつき
- 当時の子ども服は「ギャルママ文化」と親和性が高く、親と子がペアルックで派手に着飾るスタイルが定着
- 特にプリクラ世代(1990年代後半~2000年代)にとっては、「目立ってナンボ」が主流だった
この流れの中で、ベビードールは“ギャルママの象徴的ブランド”というポジションを築きました。
ところが、近年のファッションが「シンプル」「ナチュラル」「ミニマル」へとシフトする中で、過去の印象が“時代遅れ”と見なされやすくなっているのです。
大人世代の美意識と乖離
現代のファッション志向とのギャップ
ファッション業界におけるトレンド研究では、「控えめな色使い」「余白のあるデザイン」「ジェンダーレスでソフトな印象」が支持を集めており、特に親世代(30代〜40代)ではこの傾向が顕著です。
要素 | ベビードール | 現代トレンド |
---|---|---|
色使い | 原色・蛍光色 | アースカラー・くすみ色 |
ロゴ | 大きく主張 | 小さく控えめor無地 |
シルエット | タイト・フィット | ゆったり・リラックス |
イメージ | ポップ・派手 | ナチュラル・清潔感 |
こうした違いが、世代間の「ダサい」「古くさい」というイメージに直結しています。
「ヤンキー感」とされる要素とは?
以下のような要素が、SNSやオンラインで「ヤンキーっぽい」と認識されることが多い要素です。
- 王冠や英字のロゴが大きくプリントされている
- 派手な原色の組み合わせ(赤×黄、黒×蛍光緑など)
- 背面に大きくブランド名が入るデザイン
- 子ども用とは思えない“アメカジ風”の強調
特にこれらは、大人が購入時に感じる「子どもに着せるには派手すぎる」「保育園で浮いてしまうのでは」という懸念にもつながっています。


子ども服でも求められる“上質さ”
デザインだけでなく素材にもこだわる時代へ
現代の親世代は、デザインだけでなく、素材・縫製・安全性なども重視しています。
たとえば「オーガニックコットン」「無蛍光素材」「洗濯耐性」といった要素が、ブランド選びの基準に加わるようになりました。
その中で、ベビードールが「デザイン先行型」のイメージを強く持たれていることが、購買層の変化と合致しづらい原因となっています。
比較項目 | ベビードール | 他ブランド例(petit main・BREEZEなど) |
---|---|---|
素材訴求 | あまり強くない | オーガニック・低刺激訴求が多い |
商品説明 | デザイン重視 | 機能性や衛生面にも説明あり |
タグの明示 | 少なめ | 洗濯表示・成分明示が詳細 |
購買意欲に影響する「SNSの影響力」
現代の親はInstagramやYouTubeなどで“おしゃれな子ども服”を検索して購入を決めるケースが多くなっています。そこでは、無印良品、プチバトー、ユニクロベビー、韓国インポート系などが人気を集めており、ベビードールのような派手系ブランドは検索で上位に来にくい傾向です。



SNS時代は“映え”の価値も変わっています。シンプルな背景に溶け込むデザインが好まれるんです!


現状でも一部では根強い支持も
ファン層や用途が限定されてきている
ベビードールの人気がゼロになったわけではなく、「ステージ衣装」「発表会」「イベント」など、インパクトが求められるシーンではむしろ“派手さ”が好まれることもあります。
シーン | 選ばれる理由 |
---|---|
発表会衣装 | 遠くからでも目立つデザイン |
SNS投稿用 | カラフルで映える |
親族イベント | おばあちゃん世代にウケがいい |
また、楽天市場などでは「まとめ買い」「セール品」などで安く購入できることから、実用性よりも“お楽しみ要素”で購入される傾向もみられます。
ブランド再構築の可能性
近年は「派手すぎない」デザインや、ベーシックカラーのラインも展開され始めており、ブランドの再構築を模索する動きも見えます。
今後は以下のような展開が予想されます。
- 落ち着いたカラーの新シリーズ投入
- 機能性を重視したアイテムの拡充
- SNS世代に響くプロモーション戦略の強化
このような方向性が成功すれば、過去のイメージを脱却し、新たなファン層の獲得につながる可能性も十分にあります。
関連Q&A
まとめ|ベビードールの閉店と“ヤンキー風”と見られる理由とは?
ベビードールの店舗閉店が相次いでいる背景には、少子化や実店舗コストの増加に加え、ECシフトやファッション嗜好の変化といった複合的な要因が絡んでいました。
かつては「ギャルママ文化」の中で愛され、派手でキャッチーなデザインが人気だったベビードール。しかし今、ファッションの主流が「シンプル・ナチュラル」へと移る中で、その“ヤンキー風”と見られがちな派手さが、大人世代には敬遠される理由になっているのです。
ただし、全ての支持が失われたわけではなく、「発表会用」「目立たせたいイベント衣装」などのニーズでは今も選ばれています。また、ベーシックカラーの新展開やオンライン販路の強化など、再起を図る動きも注目されるポイントです。
ベビードールの今後がどのように進化するのか、ブランドの転換期として要注目です。