画像引用元:動物開放団体リブ

ノースサファリサッポロって、なんで閉園しちゃうんですか?ニュースで見たけど、動物がかわいそうって声も多くて…



実はその背景には、法令違反や死亡事故、そして厳しい社会の目があったんです。動物園のあり方が問われる深刻な問題です。
2025年9月、札幌市南区の体験型動物園「ノースサファリサッポロ」がついに閉園することを発表しました。長年人気を集めた一方で、「日本一危険な動物園」とも揶揄された同園には、多くの問題が積み重なっていたのです。
この記事では、なぜ閉園に至ったのか、死亡事故の真相、動物たちの今後、そしてSNSで広がる「ひどい」「かわいそう」といった声の背景まで、多角的に解説します。
- ノースサファリサッポロが閉園に至った理由と死亡事故の詳細
- 閉園後の動物たちの行方と社会的責任
- SNSで広がる「かわいそう」「ひどい」といった反応の実情と背景
ノースサファリサッポロが死亡事故で閉園?


画像引用元:動物開放団体リブ
危険と隣り合わせだった施設に何が?
「日本一危険な動物園」と呼ばれていたノースサファリサッポロが、ついに2025年9月末で閉園することを発表しました。
トラやライオンと「ゼロ距離」でふれあえる体験や、動物と宿泊できるグランピング企画など、独自のスタイルが話題を集めてきた同園。
しかし裏側では、重大な法令違反、繰り返される動物の死亡事故、そして社会からの「ひどい」「かわいそう」という声が積み重なっていたのです。
ノースサファリサッポロをめぐる閉園決定には、単なる経営不振ではない多層的な背景がありました。
違法建築150棟超、都市計画法違反で行政が動く
この施設が位置していたのは、札幌市南区の市街化調整区域。ここは、原則として新たな建物を建ててはならない地域です。それにも関わらず、ノースサファリサッポロは開園以来20年にわたり、無許可で150棟を超える建築物を増築してきました。
📌情報源:NHK 北海道NewsWEB
法令違反の経緯と行政の対応まとめ
年度 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
2004年〜 | 市が無許可建築を指摘し、是正指導を複数回実施 | 30回以上の行政指導記録あり |
2019年 | トラへの「檻内エサやり体験」が危険とされ、中止要請 | 園側は「掲示だけ」と主張も実施疑惑あり |
2024年12月 | 札幌市が除却命令を視野に法的措置の準備開始 | 施設側は計画書を提出 |
2025年2月 | 園が自主閉園を表明。社長は責任を取って辞任 | 公的記録に基づく決定 |
この動きを受けて、園側は「法令違反を重く受け止める」として、自主的な閉園を決定しました。なお、2025年3月以降は、動物の移送と施設撤去を段階的に進行しています。



ルールを守らない施設が20年間も営業を続けていたという事実自体、驚きですね…!
動物福祉以前に、安全対策・地域住民への配慮がなされていなかったことが深刻です。
死亡事故と“危険体験”の代償
ノースサファリサッポロを語るうえで避けて通れないのが、動物死亡事故や怪我人を出す体験型イベントの存在です。なかでも注目されたのが、2024年~2025年にかけて発生した複数の動物の大量死です。
2024〜2025年の主な問題事例
発生日 | 事故・事案の内容 | 状況・影響 |
---|---|---|
2024年8月 | ライオンの赤ちゃん2頭が相次いで死亡 | 多臓器不全とされるが、猛暑下の熱中症疑惑が浮上 |
2025年3月18日 | 雪上バナナボート体験で乗客2人が転落し負傷 | 業務上過失致傷の疑いで警察が捜査中 (📌Yahooニュース) |
不明 | トラのエサやり中に安全管理不備 | 一時中止命令を受けたが、園内掲示は継続されたとの指摘あり |
「ふれあい」や「スリル」といった言葉の裏には、動物にも人にも負荷の高い運営が潜んでいました。



楽しい体験の裏に、安全管理の徹底と動物への配慮がなければ、結局は命を軽視する“レジャー”になってしまいますね。
SNSでは「ひどい」「かわいそう」の声が殺到
X(旧Twitter)では、閉園報道を受けて「動物がかわいそう」といった投稿が相次ぎました。中には、現地に行ったことがあるユーザーからの実体験に基づく発信も目立ちます。
SNSに投稿された声
- 「動物たちがかわいそうだ… みんなちゃんとした施設に引き取ってもらえるといいんだが……」
該当投稿先リンク - 「飼育環境で燃えてたもんなあって思ったら別の理由なんかい 動物かわいそうすぎて結局行ってない」
該当投稿先リンク - 「なんか、、移動できない動物とか、、 上野動物園のかわいそうな象の話思い出しちゃったよ 動物が人間の都合勝手にされる社会じゃないように願う」
該当投稿先リンク
📌参考:X上の「ノースサファリサッポロ かわいそう」検索結果
社会的にも、動物福祉や展示の在り方に対する意識が高まるなか、こうした運営は「時代遅れ」「生命軽視」として強く批判されました。



一部の動物園では、もう“見せ物”から“教育”や“保護”の場へと進化しています。今後、同じような施設が出ないよう、社会全体で目を光らせていく必要があります。


閉園後の動物たちは?移送計画と社会的責任の行方


画像引用元:動物開放団体リブ
約500匹の動物の移送が急務に
ノースサファリサッポロの閉園決定と同時に、全国の注目を集めたのが、園内で飼育されていた動物たちの行方です。
2025年3月時点で同園には、哺乳類・鳥類・爬虫類を含む約500匹の動物が在籍しており、その中にはライオン・トラ・アザラシ・カピバラ・ヘビなど多種多様な動物が含まれていました。
施設運営側は札幌市に対して、「9月末の閉園までにすべての動物を適切な施設へ移送する」とする計画書を提出しました。札幌市動物愛護管理センターや保健所も、移送計画の妥当性を検討するとともに、動物たちの健康状態と飼育環境を現地で確認するための立ち入り調査を4月に実施しました。
受け入れ先が足りない現実
とはいえ、動物たちすべてに引き取り先が見つかっているわけではありません。特に、特定動物(猛獣や有毒生物など)に分類される種については、引受先の選定が極めて難航している状況です。
動物の種類と移送困難度
動物分類 | 代表例 | 移送難易度 | 理由 |
---|---|---|---|
大型哺乳類 | ライオン・トラ | 高 | 専用施設・獣医・収容スペースが必要 |
中型哺乳類 | カピバラ・ヤギなど | 中 | 多くの動物園・牧場で対応可能 |
鳥類 | フクロウ・ミミズクなど | 中 | 鳥インフルエンザ対策など防疫措置が必要 |
爬虫類・両生類 | ボールパイソンなど | 高 | 一般動物園では設備・専門スタッフが足りない |
このため、ノースサファリの一部動物は民間ブリーダーやレスキュー団体に頼らざるを得ないケースも出ています。ただし、これらの受け入れ先には、動物福祉の観点での疑問も残るため、慎重な監視と第三者のチェック体制が求められます。
行政機関が提示している方針としては、「引受先の施設には飼育能力や医療体制、環境基準を満たす証明書類の提出を義務付ける」ことで、移送後のトラブルを防ぐ意向が示されています。
一時的な混乱とスタッフ体制の維持
閉園が決定してから、施設内部では飼育スタッフの退職も相次いでおり、残された動物のケア体制に不安の声もあがっています。運営側は「最後まで適正な人員配置を保つ」としていますが、2025年4月時点の報道では、週末を中心に餌やりや清掃の遅延が生じていることが報告されました。
さらに、SNS上ではボランティアとして支援を申し出る人や、支援金をクラウドファンディングで募る動物保護団体も増えつつあります。ただし、公的機関による正式な連携はまだ少なく、体制整備は発展途上の段階です。
こうした状況の中、札幌市は閉園までに「すべての動物が虐待や過剰ストレスなく、段階的に移送されるように管理する」と明言しており、行政・NPO・受入施設の三者連携が急務となっています。
閉園は何を残したのか|社会が問われる倫理と制度
ノースサファリサッポロの閉園は、「人間のための娯楽としての動物展示」の是非を強く問い直す出来事となりました。
現代における動物園やサファリ施設は、教育・研究・保護を目的とした公益的な役割が求められていますが、同園のように収益性重視の商業モデルに偏ると、動物福祉とのバランスが崩れがちです。
また、都市計画法違反・動物愛護法違反の疑いが複数存在しながらも、長年にわたり放置されてきた行政側の監視体制の甘さも問題視されました。今後は以下のような制度改革が必要とされるでしょう。
今後の課題と制度上のポイント
- 特定動物施設に対する定期的な立ち入り検査の義務化
- 「ふれあい施設」運営に関する国のガイドライン整備
- 違反施設に対する即時停止命令制度の導入
- 民間レスキュー団体との行政連携フレームワークの構築
ノースサファリのような事例を教訓とし、命ある動物を扱う施設には、透明性・倫理性・法令順守が必須であることを再認識させられます。
関連Q&A
ノースサファリサッポロ閉園へ|社会に問われた“命”との向き合い方
「日本一危険な動物園」と呼ばれ、非日常のスリル体験で人気を集めたノースサファリサッポロ。しかしその裏では、法令違反の建築、ずさんな安全管理、そして複数の死亡事故が重なり、ついに2025年9月末の閉園が決定しました。
SNSでは「ひどい」「動物がかわいそう」といった声が噴出し、動物をレジャーの対象として扱うことの是非が改めて問われています。閉園を前に500匹を超える動物たちの移送が進められていますが、すべてに安住の地が確保されるにはまだ課題が山積しています。
この出来事は、「ふれあい」や「癒し」という名のもとに動物をどう扱うべきか、私たち一人ひとりが考えるきっかけとなるべきです。命を“見世物”にしない社会へ。ノースサファリサッポロの閉園は、その重要な転換点なのかもしれません。
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