スピードトリプル1200RR生産終了はなぜ？その理由を徹底分析！

画像引用元：ヤングマシン

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スピードトリプル1200RRが生産終了になったって本当ですか？なぜこんな素晴らしいバイクが生産中止になってしまったのか理由が知りたいです…

筆者

その通り！わずか4年という短い期間で生産終了となってしまいました。しかし、この決断には複数の明確な理由があります！今回は業界関係者の視点から、スピードトリプル1200RR 生産終了なぜ決断されたのかを徹底的に分析していきましょう！

英国の名門トライアンフが2021年に満を持して投入した「スピードトリプル1200RR」。180馬力を誇る3気筒エンジンと、カフェレーサースタイルの美しいデザインで多くのライダーを魅了しましたが、2024年をもって突如生産終了が発表されました。

この記事で分かること！

スピードトリプル1200RR生産終了の具体的な理由
価格競争力と販売実績の詳細分析
バイク市場における競合他車との比較検証
トライアンフの今後の戦略と後継モデル情報

スピードトリプル1200RR生産終了なぜ販売不振に陥ったのか

価格設定の問題が最大の要因

スピードトリプル1200RRの生産終了決定において、最も大きな要因となったのが価格設定の問題でした。新車価格は228万5,000円（クリスタルホワイト×ストームグレー）から233万円（レッドホッパー×ストームグレー）という価格帯で、これは同クラスの競合車種と比較して明らかに高額でした。

スピードトリプル1200RRって生産終了してたん
(´・ω・｀)
— ぱぴろんちゃん😱🙀 (@papiron) February 28, 2024

主要競合車種との価格比較

バイクモデル	価格（税込）	パワー	車両重量
スピードトリプル1200RR	233万円	180ps	200kg
カワサキ Ninja ZX-10R	200万円	197ps	206kg
スズキ GSX-R1000R	200万円	199ps	203kg
BMW S1000RR	215万円	205ps	197kg

この価格差は消費者にとって決定的な判断材料となりました。TopSpeedの調査によると、同等の性能を持つ競合車種より3万ドル（約45万円）も高額だったことが、販売不振の直接的な原因として指摘されています。

ブランドイメージと実用性のミスマッチ

トライアンフのスピードトリプルシリーズは、これまで「スポーツネイキッド」としてのポジションで親しまれてきました。しかし、1200RRはハーフカウルを装着した「カフェレーサー」スタイルを採用したため、従来のスピードトリプルファンにとって違和感のあるモデルとなってしまいました！

セグメント内での立ち位置の曖昧さ

1200RRは、ピュアスポーツバイクとカフェレーサーの中間的な存在でした。純粋にサーキット走行を楽しみたいライダーにとっては、より専門性の高いスーパースポーツモデルが選択肢となり、街乗りを重視するライダーにはネイキッドモデルの方が魅力的だったのです。

販売台数データから見える現実

直近24ヵ月間の中古車市場データによると、スピードトリプル1200RRの取引台数はわずか31台という状況でした。バイクパッションの調査では、買取査定相場は99.6〜142万円となっており、新車価格からの下落率の大きさが販売不振を物語っています。

競合他車との性能比較で見えた課題

パワー・ウェイト・レシオの競争力不足

スピードトリプル1200RRは180psの出力を持ちながら、パワー・ウェイト・レシオでは競合車種に劣る結果となりました。

パワー・ウェイト・レシオ比較

モデル	出力	重量	P/W比
BMW S1000RR	205ps	197kg	1.04ps/kg
Ninja ZX-10R	197ps	206kg	0.96ps/kg
GSX-R1000R	199ps	203kg	0.98ps/kg
スピードトリプル1200RR	180ps	200kg	0.90ps/kg

この数値からも分かるように、1200RRは価格は最高額でありながら、性能面では他車に劣る状況でした！

電子装備の差別化不足

オーリンズ製電子制御サスペンション「スマートEC 2.0」や、各種ライディングモードなど充実した装備を持っていたものの、競合他車も同様の装備を標準搭載しており、決定的な差別化要因にはなりませんでした。

サーキット走行での限界性能

実際のサーキット走行において、1200RRは確かに高い性能を示しましたが、ピュアスポーツバイクと比較すると、エアロダイナミクスやサスペンションセッティングで劣る部分がありました。

ツーリング性能の中途半端さ

一方で、ツーリング用途においても、フル装備のアドベンチャーバイクやより快適性を重視したモデルと比較すると、実用性で見劣りする部分がありました。

バイク市場のトレンド変化が与えた影響

2024年の市場動向分析

2024年のバイク市場では、明確なトレンドの変化が見られました。トライアンフ全体の日本市場での販売台数は過去最高の4,898台を達成しましたが、これは主に他のモデルによるものでした。

売れ筋カテゴリーの変化

実用性重視のネイキッドバイク：CB650R、Z900RSなど
アドベンチャーツーリングバイク：Tiger系、BMW GSシリーズ
エントリークラスのスポーツバイク：Ninja 400、YZF-R3など

コロナ禍後の需要変化

パンデミック後、バイク購入者の志向は大きく変化しました。通勤用途やソロツーリングなど、実用性を重視する傾向が強まり、高価格帯のスペシャリティモデルに対する需要が減少しました！

若年層の購入パワー低下

特に1200RRのターゲット層である30〜40代の購入者において、経済的な余裕の減少が見られ、200万円を超える高額バイクの購入を控える傾向が強まりました。

中古車市場の充実

同性能帯の中古車が豊富に流通するようになったことで、新車の1200RRを選択する理由が薄れました。特に、BMW S1000RRやNinja ZX-10Rの程度の良い中古車が150万円前後で購入できる状況では、233万円の新車は魅力的に映りませんでした。

スピードトリプル1200rr 生産終了か。まあ、わざわざ部品供給に不安があるバイクを買おうとは思わないよにゃ。長年同じモデルが売られてるバイクの方が安心。
— 🐈ภєς๏๓คгย🐈 (@TMCatwork) June 11, 2023

トライアンフの戦略転換と今後の方向性

新型Speed Triple 1200RSの投入

2025年、トライアンフは生産終了となった1200RRに代わって、新型Speed Triple 1200RSを投入しました。この新型モデルは、従来のネイキッドスタイルに回帰し、出力も183psに向上させています！

限定モデル戦略への転換

また、世界限定1200台の「Speed Triple 1200RX」も発表されました。この限定モデル戦略により、希少価値を高めながら確実な販売を狙う方針に転換しています。

新戦略の特徴

明確なポジショニング：ネイキッドスポーツとしての原点回帰
性能向上：183psへのパワーアップ
価格設定の見直し：より競争力のある価格帯への調整
限定モデル展開：希少価値による付加価値創出

グローバル市場での成功事例

興味深いことに、トライアンフは2024年にグローバルで134,635台を販売し、122年の歴史で初めて年間10万台を大幅に超える販売数を達成しました。モトメガネによると、これは前年比64%の大幅増加でした。

日本市場での戦略見直し

日本市場においても、「年間5000台販売」という目標を掲げており、1200RRのような高価格帯モデルよりも、より幅広いライダー層にアピールできるモデルに注力する方針を明確にしています！

生産終了がもたらす市場への影響

中古車価格の動向予測

スピードトリプル1200RRの生産終了により、中古車市場では興味深い動きが予想されます。現在の買取相場99.6〜142万円から、今後は希少価値により価格の下支えが期待されます。

予想される価格推移

期間	予想価格帯	要因
2024年末	90-130万円	生産終了直後の値下がり
2025年中	100-140万円	底値からの回復
2026年以降	120-160万円	希少価値による価格上昇