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最近、駅で長田本庄軒を見かけなくなったんですけど…もう閉店しちゃったんですか?



そうなんです。関東では多くの店舗が閉店していますが、実はその背景には戦略的な理由があるんです!
“鉄板焼きそば”で人気を博した長田本庄軒。香ばしいソースの香りと、目の前で焼き上げるライブ感が魅力の専門店でしたが、近年では「気づいたら閉店していた…」という声が増えています。
この記事では、なぜ関東で長田本庄軒の閉店が相次いでいるのか、そしてそれが単なる衰退ではなく“再成長に向けた戦略的な一手”であることを、詳しく解説していきます。
- 長田本庄軒が関東から撤退した本当の理由とは?
- トリドールグループの全体戦略とその影響
- 今後の海外展開やブランド再構築の可能性
長田本庄軒の閉店なぜ?


関東からの閉店が相次ぐ現状
長田本庄軒は、かつて関東圏を中心に多店舗展開をしていた焼きそば専門ブランドです。しかし2022年以降、関東圏の店舗が次々と閉店し、現在では東京・神奈川・埼玉での実店舗展開はほぼゼロに近い状況となっています。
2024年〜2025年にかけて閉店が相次いだ例として、東京「新橋店」「大手町店」、神奈川「横浜ジョイナス店」、埼玉「イオンモール川口前川店」などが閉店。
この急激な撤退には、以下のような戦略的かつ構造的な理由がありました。
トリドールHDの再構築方針が影響
長田本庄軒を運営するのは「丸亀製麺」などを展開する株式会社トリドールホールディングスです。同社は、2023年以降に全ブランドの収益性評価と構造改革を推進しており、その一環として非中核業態にあたるブランドの整理が進められました。
グループ全体での経営効率の見直し
以下は、トリドールHDが発表したブランド戦略の再構築方針です。
対象ブランド | 取組内容 | 評価基準 | 処遇方針 |
---|---|---|---|
丸亀製麺 | 主力として強化 | 国内外売上・ブランド力 | 拡大・海外展開促進 |
豚屋とん一 | 高コスト構造を是正 | 人手・運営効率 | 再編・店舗厳選 |
長田本庄軒 | 回転率・立地問題あり | 商業施設テナント型 | 関東店舗の段階的閉鎖 |



ブランドが多ければ多いほどいい…という時代は終わりました。選択と集中で利益体質を強化するのは今の外食業界では必須の流れですね!
焼きそば専門業態の限界と構造課題
焼きそばは人気メニューである反面、外食業態としては“食事としての立ち位置が不安定”という課題を抱えてきました。
焼きそばは主食?サイド?消費者の認識の壁
多くの消費者にとって「焼きそば」は以下のような位置づけになりがちです。
- 主食としてはボリュームが不足
- ランチにしては価格がやや高い(平均800円台)
- 油やソースのにおいが気になる(オフィスワーカーが敬遠)
競合との価格帯・メニュー構成比較
項目 | 長田本庄軒 | 丸亀製麺 | すき家 | 日高屋 |
---|---|---|---|---|
主力単価 | 約800〜950円 | 約400〜600円 | 約350〜600円 | 約400〜700円 |
サイドメニュー展開 | 少なめ | 豊富 | 豊富 | 豊富 |
滞在時間 | 長め | 短め | 短め | 短め |
このように「単品高価格・滞在時間長め・サイド弱い」という三重苦が、回転率を下げ、収益構造に響いていたと考えられます。



筆者も仕事の合間に立ち寄ってましたが、急いでる時には敬遠してしまうんですよね…。今の“サク飯需要”とはミスマッチだったのかもしれません!
立地戦略と駅ナカ店舗の高コスト問題
長田本庄軒の多くは「駅ナカ」や「駅ビル内」に出店していましたが、この立地が裏目に出た側面もあります。
固定費圧迫と立地の脆弱性
問題点 | 内容 |
---|---|
賃料高騰 | 駅ナカは坪単価が非常に高く、売上に対する負担が重い |
営業時間制限 | ビルの管理規定により、営業時間に制限あり(昼夜稼働がしづらい) |
匂い問題 | ソース・鉄板調理による香りが、共有フロアで敬遠される |
こうした立地上の制約も、売上に直接響く形となり、撤退の判断を後押ししたと考えられます。



一等地に出店=安泰、という時代ではなくなりましたね!駅ナカでも収益を出すには、驚くほどの回転率とブランド力が求められる時代です!
長田本庄軒の味やファン層の熱は今も健在
一方で、長田本庄軒の味や「目の前で焼いてくれるライブ感」は根強い人気を誇ります。SNSでも閉店を惜しむ声が多く見られます。
ただし、現在は関西・中部地方の一部でのみ展開が継続されており、“戦略的撤退”であることが明確です。
現在の営業店舗とエリア状況(2025年5月時点)
店舗名 | 所在地 | 備考 |
---|---|---|
長田本庄軒 三宮センタープラザ店 | 兵庫県神戸市 | 神戸発祥の本拠地 |
長田本庄軒 イオンモール大日店 | 大阪府守口市 | フードコート型 |
長田本庄軒 mozoワンダーシティ店 | 愛知県名古屋市 | 現在も営業中(2025年5月確認) |
このように、長田本庄軒の「閉店ラッシュ」はネガティブなものではなく、トリドールグループ全体の事業再編による「選択と集中」の結果であるといえるでしょう。
長田本庄軒の今後は?海外展開と再成長戦略に注目


トリドールの成長戦略
長田本庄軒の国内縮小とは対照的に、親会社トリドールホールディングスは海外市場への拡大を積極的に進めています。その波に乗る形で、長田本庄軒ブランドにも今後、新たなステージが用意されている可能性があります。
アジア圏での展開可能性
焼きそば業態は、以下のようにアジア各国で受け入れやすい特徴を持っています。
国・地域 | 焼きそば需要 | 特性 | 展開課題 |
---|---|---|---|
台湾 | 高い(夜市文化) | 屋台グルメとの親和性 | ローカル企業との競争 |
タイ | 中程度 | フードコート文化が強い | 辛味アレンジの必要あり |
シンガポール | 高い | 日本食ブームあり | 人件費・物価高騰が課題 |
このような現地調査とローカルパートナー選定が進んでおり、長田本庄軒の“海外向けブランド転換”も将来的に期待されています。
ブランド再構築としての実験的プロジェクト
トリドールは国内でも**「業態リブランディング」「新業態テスト」**を積極的に行っており、長田本庄軒もその一環として動き出している可能性があります。
フードコート型への移行実験
実際に、長田本庄軒の現存店舗の多くは、「イオンモール」などのフードコート内」に移行している点に注目です。
店舗名 | 所在地 | 業態形態 | 備考 |
---|---|---|---|
mozoワンダーシティ店 | 名古屋市 | フードコート | 再編後も営業継続中 |
イオンモール大日店 | 守口市 | フードコート | 家族連れに人気 |
三宮センタープラザ店 | 神戸市 | 路面型(例外) | 本拠地として存続 |
このように「低リスクで効率的な出店形式」への転換が進んでおり、今後の展開に活路が見出されています。
EC・冷凍食品としての商品展開の可能性
もう一つ注目すべきは、**「店舗以外でのブランド展開」**です。近年、冷凍食品市場が伸びており、飲食店ブランドのEC展開が相次いでいます。
日本冷凍食品協会の統計によると、2024年の家庭向け冷凍食品市場は前年比108.3%と拡大中
焼きそば業態は冷凍化との親和性が高い
- 麺+具材の構成がシンプルで再現性が高い
- 鉄板焼き風の味付けはレンジ調理と相性がよい
- 食卓に“もう一品”を加える商品として需要がある
特に、ソース味や目玉焼きトッピングを活かした「名物焼きそばセット」としての冷凍商品化は、ブランド再活性の切り札になりうるでしょう。
関連Q&A
まとめ|長田本庄軒の閉店なぜ?関東撤退の背景と海外展開の戦略を解説!
関東からの相次ぐ閉店で「長田本庄軒はもう終わったのでは…」という印象を持つ方も多いかもしれません。しかしその実態は、単なる人気の衰退ではなく、トリドールグループ全体の戦略転換に基づく再構築プロセスでした。
高コストな都市部店舗からの撤退や焼きそば業態の構造的課題に直面しつつも、現在はフードコート型への再編や、冷凍食品・海外展開といった新しい活路が明確に模索されています。
長田本庄軒の「鉄板で焼き上げる香ばしさとライブ感」は、国内外の焼きそばファンにとって替えのきかない魅力です。
今後は、姿かたちを変えながらも、再び多くの人の前に現れる日が来るかもしれません。
次に私たちがその味に出会う場所は、“駅ナカ”ではなく、“海外のフードコート”や“自宅のレンジの中”かもしれませんね。
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