画像引用元:トクバイニュース / 他店なら1000円越え【業スー】ならで話題の高級バターが500円以下で手に入る♪ / 記事内
「グラスフェッドバター」。一度は業務スーパーでも見かけたけれど、いまは売り場に並んでいない……と疑問に思ったことはありませんか? 本記事では、なぜ業務スーパーでグラスフェッドバターが見当たらないのか、そして今後の販売見通しはどうなるのか、多角的な視点から徹底解説します。
- なぜ業務スーパーでグラスフェッドバターが売られていないのか
- おすすめ類似品
- 今後の販売状況について
業務スーパーグラスフェッドバターが売ってない理由は?
グラスフェッドバター特有の生産背景
グラスフェッドバターは飼料に牧草を多く使用するため、飼育環境・気候条件・牧草の育成状況などに左右されやすい側面があります。たとえば、天候不順が続く年には牧草の育成が十分でなく、牛が十分な栄養を摂取できない可能性があります。その結果、乳量が減少したり成分にばらつきが生じたりし、品質管理が難しくなることも考えられます。
こうした生産上の制約は、一時的に需要を満たすことができても、安定した長期供給につなげるうえで大きなハードルとなります。特に業務スーパーのように「安定価格×安定供給」が強みの店舗では、供給が不安定な商品を扱い続けるリスクが高いため、ラインナップから外しやすいと推測できます。
供給・流通上の問題
輸入ルートの制約や国際的な取引条件
グラスフェッドバターは、主に牧草を中心に飼育された牛のミルクから作られたバターを指します。ニュージーランドやアイルランド、オーストラリアなど牧草地が豊富な地域で生産されるケースが多いですが、これらの国から日本への輸入には以下のような要素が関係します。
- 輸入枠・関税
- バターは畜産物に分類されるため、輸入国によって関税が異なり、また輸入枠(数量制限)が設けられている場合があります。
- 国際価格の変動
- 世界的な乳製品相場の変動は激しく、特にグラスフェッドバターは需要が急増した際に価格が急騰する傾向にあります。
- 輸送・保管コスト
- 業務スーパーは低価格帯を中心に商品を展開しているため、コストと品質のバランスを考慮した結果、グラスフェッドバターがラインナップから外される可能性があります。
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ブランド戦略・コスト面の問題
業務スーパーの価格設定と利益確保の両立
業務スーパーは外食産業や大口需要にも対応している関係上、大量仕入れによる低コスト戦略を取りやすい特徴があります。しかしグラスフェッドバターは、通常のバターと比較して生産コストが高めです。理由としては、牧草だけで育てる飼育方式のほうが管理コストや広大な土地が必要になるケースが多い、品質基準がシビアなどが挙げられます。
- 通常のバターとのコスト比較
下の表は一般的なバターとグラスフェッドバターの生産コストや平均的な小売価格帯をイメージ的に比較したものです。実際の数値とは異なる場合がありますが、相対的な差としてご参照ください。
バターの種類 | 生産コスト(相対) | 小売価格帯(相対) | コメント |
---|---|---|---|
一般的なバター | 低~中 | 低~中 | 国内外で安定生産。調達しやすい |
グラスフェッドバター | 中~高 | 中~高 | 飼育コストや輸入費が高め |
業務スーパーが低価格帯を重視する傾向にある以上、仕入れ価格が高くなるグラスフェッドバターの扱いは難しくなる場合があります。もし取扱っていても、価格転嫁をせざるを得ず、他の店頭価格と大差がない、あるいはむしろ高価格となる可能性が高いです。その場合、消費者が「業務スーパーならではの割安感」を感じられず、結果的に売上が伸びずに撤退するというシナリオが考えられます。
業務スーパーグラスフェッドバターの今後の販売状況について
ここでは今後、業務スーパーでグラスフェッドバターを取り扱う可能性や、取り扱うとしたらどのような条件や背景が整う必要があるかを様々な角度から考察します。国内外の乳製品動向、消費者の嗜好変化、輸入条件の緩和・見直しなどといったマクロな視点から、実際に店頭へ流通させる際のマーケティング戦略まで、幅広く取り上げます。
国内外の情勢変化とグラスフェッドバターの需要拡大
健康志向のさらなる高まり
コロナ禍以降、在宅時間の増加や健康意識の高まりから、オーガニック食品や自然由来の食材に注目が集まっています。グラスフェッドバターもその一つであり、トランス脂肪酸への懸念や、オメガ3系脂肪酸を多く含む可能性がある点などで「健康的な選択肢」として取り上げられやすい背景があります。
- 可能性としての再注目
こうした健康志向が持続すれば、グラスフェッドバターに対するニーズが再び高まり、業務スーパーが新しい輸入ルートや価格交渉を通じて商品ラインナップに加える可能性も否定できません。
輸入規制や関税の変化
国際的な自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)の進展により、バターを含む乳製品の輸入関税が緩和される方向に進む国との取引が増えれば、グラスフェッドバターの導入コストが下がる可能性があります。特にニュージーランドやオーストラリアとの経済連携が深化すれば、関税負担が軽減され、安価で安定した仕入れが可能になるでしょう。
- 国内生産拡大の可能性
一部の国内酪農家が「放牧酪農」にチャレンジしている動きもあります。しかし、日本の気候や土地の狭さ、飼育コストの問題などから、グラスフェッドと呼べるほど完全放牧を徹底している事例はまだ少数です。国内で本格的にグラスフェッドバターが生産できるようになるには、制度面・インフラ面でのサポートが必要となり、時間がかかると考えられます。
業務スーパー独自の輸入ルート構築・差別化戦略
大量仕入れによる価格低減とブランド化
業務スーパーがグラスフェッドバターを再び取り扱うには、まずコスト面の課題を解消する必要があります。その方法として、大量仕入れでの価格交渉と流通コストの削減が挙げられます。加えて、既存のプライベートブランド(神戸物産グループが展開)と組み合わせた「グラスフェッドのバターPB商品」などが登場すれば、他社との差別化を図るうえで大きなアドバンテージとなるでしょう。
- バイヤーとの交渉力
業務スーパーは全国規模での展開をしており、年間を通じた一括買付が可能です。取引先との直接交渉を強化すれば、他の流通企業よりもコスト優位に立てる可能性があります。
マイナー商品でも一定の固定ファンを獲得する戦略
現在のところ、グラスフェッドバターはまだマイナーな存在であり、通常のバターに比べると明らかに消費量が少ないカテゴリです。しかし、健康志向の高い層や、特定のレシピにこだわる層など、一定数の固定需要は存在します。業務スーパーがこの固定ファンを狙って、売り場の一部スペースで定期的な数量限定販売を行うような形をとれば、そこまで大きな在庫リスクを負わずに商品の魅力を発信できるかもしれません。
- プレミアムコーナーの設置
業務スーパーでは一部店舗で珍しい海外食品などを扱うコーナーがあります。そこでグラスフェッドバターを「やや高級志向の商品」として位置づけ、コアなファンに向けて提供する方法も考えられます。ニーズを見極めつつ小規模からテスト導入をし、採算が合えば全国展開に拡大する、といったプロセスが現実的です。
まとめ
- 売っていない理由
- 輸入における関税や数量制限などの供給面のハードル
- 通常のバターよりも高コストになりやすいグラスフェッドバターの特性
- 大量販売を前提とする業務スーパーのビジネスモデルとのミスマッチ
- 一時的ブームの後、ニーズが限定的になっている点
- 今後の販売状況
- 健康志向ブームが継続または再燃すれば、取り扱いの可能性あり
- 関税や輸入規制緩和で仕入れ価格が下がれば参入しやすくなる
- プレミアムコーナーなどでのテスト販売やPB商品化など、様々な展開の余地
- 固定ファン向けの小規模展開でリスクを抑えつつ、市場ニーズを探る動きも考えられる
まとめとして、現状はなかなか流通を安定させるのが難しい分野ながらも、健康志向や輸入条件の変化によっては「いつか再び業務スーパーでグラスフェッドバターが買える日が来るかもしれない」という期待を持てる、といえそうです。