ラッキーフェスひどい？炎上理由と現在の評価は？

画像引用元：Lucky Fes公式サイト

茨城県ひたちなか市で開催される音楽フェスティバル「LuckyFes（ラッキーフェス）」について、「ひどい」「炎上」といったネガティブなキーワードで検索される方も多いのではないでしょうか。2022年にスタートしたこの比較的新しいフェスは、確かに様々な批判や課題を抱えながらも、着実に成長を続けています。本記事では、炎上の真相から現在の評価まで、詳しく解説していきます。

ラッキーフェスはひどい？

フェス誕生の経緯と期待の高さ

ラッキーフェスが誕生した背景には、音楽ファンにとって衝撃的な出来事がありました。2000年から20年以上にわたり茨城県のひたち海浜公園で開催されてきた「ROCK IN JAPAN FESTIVAL（ロッキン）」が、コロナ禍の影響により2022年から千葉県に移転することになったのです。

ROCK IN JAPAN FESTIVALは、2019年には5日間で33万人を超える来場者を集める国内最大級の音楽フェスでした。茨城県民にとっては「夏の風物詩」のような存在で、地域経済への貢献も計り知れないものがありました。

そんな中、「茨城のフェス文化の灯を消すわけにはいかない」という強い想いから立ち上がったのが、LuckyFM茨城放送のオーナーでグロービス経営大学院学長の堀義人氏でした。驚くべきことに、ロッキンの移転発表からわずか2時間後には、新たなフェスの開催を表明したのです。

期待と不安が交錯したスタート

「茨城にロックフェスが帰ってくる！」という期待の一方で、新しいフェスに対する不安の声も多く聞かれました。特に以下のような懸念がありました：

• 運営経験の不足による準備不足
• ロッキンとの比較による厳しい評価
• 短期間での準備による運営面での不安

これらの懸念は、後に実際の問題として表面化することになります。

炎上の発端：50万円の貴賓席問題

ラッキーフェス ひどいという評価が広がった最大の要因は、貴賓席の設置とその発表方法にありました。

高額な貴賓席設定で批判が殺到

堀義人氏は自身のFacebookを通じて、以下のような内容を発表しました：

• 通常のVIP席：12万円
• 特別貴賓席：50万円
• 完全招待制の貴賓席設置
• 会場の最も良い場所を2エリア確保

しかし、問題となったのは価格設定だけではありませんでした。堀氏がFacebookで以下のような表現を使ったことが、音楽ファンの怒りを買ったのです：

「アクセスは大変だし、暑いし、混んでいるし、フェス飯には並ぶし、ステージ前方では熱狂的なファンが占めて、演奏中は立ちっぱなしになり、汗だくだくになり休むところもなく疲れます」

SNSで拡散された批判の声

この投稿がSNSで拡散されると、多くの音楽ファンから厳しい批判が寄せられました：

• 「フェスの醍醐味を否定している」
• 「お金持ちだけが楽しめるフェスなのか」
• 「音楽への愛情が感じられない」

実は、他の大型音楽フェスでもVIP席の設置は珍しいことではありません。しかし、表現方法や発表のタイミングが適切ではなかったため、大きな反発を招いてしまったのです。

筆者も音楽フェスを数多く取材してきましたが、確かにフェスの「過酷さ」も魅力の一つとして捉えているファンが多いのも事実です！

初年度の運営問題と4億円の赤字

準備不足による運営の混乱

2022年の初開催では、以下のような運営面での問題が発生しました：

準備段階での問題

• タイムテーブルの発表が直前になった
• エリアマップの公開が遅れた
• 参加者への情報提供が不十分

当日の運営問題

• スタッフの対応が不十分
• 会場内の誘導や設備整備の不備
• 天候対策の準備不足

特に初日に雷雨で中断があったり、雨の中での演奏が続いたりと、参加者にとって厳しい状況が続きました。

衝撃の4億円赤字

初年度の経営成績は以下の通りでした：

項目	金額
売上	3億4,000万円
経費	7億4,000万円
赤字	4億円
来場者数	約2万人

この巨額の赤字について、堀氏は「ロッキン・クオリティを追求した結果」と説明しています。妥協することなく、音響・照明・LED・ステージ設営にこだわった結果、予想以上の経費がかかったのです。

驚くべきことに、この4億円の赤字は堀氏が個人で全額負担しました。「茨城放送に迷惑をかけられない」という強い責任感からの決断でした。

運営改善への取り組みと成長の軌跡

赤字からの脱却戦略：「トップライン拡大」

通常であれば、4億円もの赤字を出したイベントは規模縮小や中止を検討するものですが、堀氏は真逆の戦略を選択しました。

攻めの経営戦略

「コストを収入に合わせる」のではなく、「売上を伸ばして収支を改善する」という戦略を採用しました。具体的には：

2023年の改善点

• ステージ数の増加
• 参加アーティストを106組に拡大（1.5倍）
• より多様なジャンルのアーティストを招聘

結果

• 経費：9億円超（増加）
• 売上：7億円超（倍増以上）
• 来場者数：4万2,000人（倍以上）
• 赤字：2億円（半減）

2024年のさらなる成長

2024年には以下の成果を上げました：

年度	来場者数	赤字額
2022年	2万人	4億円
2023年	4万2,000人	2億円
2024年	約6万人	約5,000万円

売上は10億円を超え、収支はほぼとんとんに近づきました。この成長軌跡は、経営のプロフェッショナルである堀氏の手腕が発揮された結果と言えるでしょう！

運営体制の改善と専門性の向上

外部パートナーとの連携強化

2025年からは株式会社BARKSとの共催となり、音楽業界の専門知識を活用した運営体制を構築しています。

改善された運営体制

• 情報発信の早期化・詳細化
• スタッフ研修の充実
• 安全対策・熱中症対策の強化
• 設備・インフラの整備

筆者も実際に2024年のフェスを取材しましたが、初年度と比べて運営面での改善は明らかでした！特にスタッフの対応や会場の案内表示などが大幅に向上していました。

5つのコンセプトによる差別化戦略

2025年以降のラッキーフェスは、以下の5つのコンセプトを掲げています：

1. グリーン：環境配慮の徹底

• 地球環境に配慮した運営
• エコフレンドリーな取り組み
• 持続可能なフェス運営

2. クロスオーバー：多様な音楽ジャンル

• POPS・ROCK・HIPHOP
• アニソン・アイドル・K-POP
• 世代を超えたレジェンドアーティスト

3. テーマパーク：音楽以外の楽しみ

• 地元茨城の食文化紹介
• 国内外のアート展示
• エンターテイメント要素の充実

4. ファミリー：家族で楽しめる環境

• 子連れに優しい設備
• 安全で快適な観覧環境
• 世代を超えた音楽体験

5. 安心安全：万全な対策

• 熱中症対策の強化
• 医療体制の充実
• セキュリティの向上

現在の評価とファミリー層からの支持

子連れに優しいフェスとしての評価

ラッキーフェス ひどいという初期の評価とは対照的に、現在は特にファミリー層から高い評価を受けています。

画期的な料金体系

子ども料金の設定

• 小学生以下：無料（保護者1名につき2名まで）
• 中高生：半額
• 一般大人：通常料金

この料金設定により、家族での参加ハードルが大幅に下がりました。通常の音楽フェスでは、子ども料金でも数千円かかることが多い中、この取り組みは画期的です。

ファミリー向け設備の充実

専用エリアの設置

• ファミリーテントエリア（入口から近く、日陰完備）
• キッズエリア（授乳・おむつ交換ブース完備）
• 幼児向けおもちゃ・絵本の用意

安全対策

• モッシュ・ダイブの禁止
• 子どもも安心して前方で観覧可能
• スタッフによる安全管理の徹底

実際の口コミ・評価

2025年参加者の声

「初参加でしたが、自由度が高くテントやカートが持ち込めて子連れには大変助かります！盛り上がってストレス発散もできました」（asoview口コミより）

「ゆったり家族でも楽しめるフェスです。子どもに優しく、フェス初心者でも行きやすいです」（参加者レビューより）

「全体的に移動距離が少なく済み、とても過ごしやすかった。小学生までは無料というのも家計に優しい」（体験談より）

音楽業界関係者からの評価

「茨城にロックフェスが帰ってきた！と感動がこみ上げる程の完成度…2年でこれは、運営さんには脱帽です」

この評価は、初期の問題を乗り越えて着実に成長している証拠と言えるでしょう！

ユニークな特徴：撮影OKの柔軟なルール

他フェスとの差別化ポイント

通常の音楽フェスでは、アーティストの演奏中の撮影は禁止されていることがほとんどです。しかし、ラッキーフェスでは多くのアーティストが撮影OKとしています。

撮影OKのメリット

• フェスの思い出を形に残せる
• 家族の記念写真が撮影可能
• SNSでの情報発信が自由

「単にフェスの思い出を持ち帰れるというだけでなく、アーティストに夢中になっている子供の姿が撮影できるというのは、子連れには何よりも嬉しいこと」という声も寄せられています。

フード・エンターテイメントの充実

ユニークなフェス飯

• 40cmの串に刺したジャンボハラミ串
• 完熟メロンをまるごと1個使用したクリームソーダ
• 地元茨城の特産品を活用したメニュー

その他のエンターテイメント

• フィナーレの花火大会
• ラッキー神社などの撮影スポット
• Lucky Plazaでの縁日開催

「食いしん坊の私には天国でした」という感想も多く聞かれ、音楽以外の楽しみも充実していることがわかります。

筆者としても、地元の魅力を活かした取り組みは他のフェスにない魅力だと感じています！

地域経済への貢献と文化的意義

茨城県経済への影響

宿泊・観光業への貢献

ロッキン時代から続く地域経済への貢献は、ラッキーフェスでも継承されています。

「会場近くで宿泊施設を営む男性は言う。『ロッキンの時には、市外も含めて周辺の宿泊施設は軒並み満室。ファンにとってこの町は第二の故郷のような存在だろう』」朝日新聞

雇用創出と地域活性化

直接的な経済効果

• スタッフ雇用の創出
• 地元業者との連携強化
• 交通・飲食業への波及効果

文化的意義

• 茨城の音楽文化の継承
• 若者の地元への愛着向上
• 文化的アイデンティティの維持

2025年の黒字化達成と今後の展望

初の黒字化を実現

2025年のラッキーフェスは、開催4年目にして初の黒字を達成する見込みです。

2025年の成果

• 来場者数：10万人超（予定）
• 初の最終黒字を確保
• 国内4大フェスへの仲間入りが視野に

堀氏は「フェス業界の常識を破る差別化の徹底が、来場者増加や黒字化につながった」とコメントしています日本経済新聞。

アジア最大級フェスへの野望

堀氏は今後のビジョンとして「次回で国内の3大フェスに肩を並べるという目標を達成し、その後は『アジア最大』を目指す」と明言しています。

この野心的な目標は、単なる夢物語ではなく、着実な成長データに裏付けられた現実的なプランと言えるでしょう！

改善が必要な課題と今後の展望

残存する課題と改善点

インフラ面での課題

参加者からは以下のような改善要望も寄せられています。

通信環境の改善

• 出店エリアでのネット環境整備
• 決済システムの安定化
• Wi-Fi環境の拡充

設備面の充実

• トイレの増設・配置見直し
• テントエリアのスペース拡大
• 休憩スペースの増設

マナー・安全面の課題

参加者マナーの向上

• ゴミの分別・処理システム改善
• 飲酒に関するルール徹底
• 撮影マナーの啓発

筆者も取材を通じて感じましたが、これらの課題は他の大型フェスでも共通の問題であり、継続的な改善努力が重要ですね！

2026年以降の発展可能性

差別化戦略の継続

独自性の追求

• ファミリーフレンドリーな特色の維持
• 地域文化との融合深化
• 持続可能な運営モデルの確立

規模拡大への戦略

• ステージ数のさらなる増加
• 参加アーティストの多様化
• 国際的なアーティストの招聘

地域ブランディングへの貢献

茨城県の新たな文化的シンボルとして、以下の展開が期待されます：

• 年間を通じた音楽イベントの開催
• 音楽以外のカルチャーイベントとの連携
• 観光資源としてのブランド化

関連記事：茨城県の観光スポット完全ガイドでは、ラッキーフェス以外の茨城の魅力もご紹介していますので、ぜひご覧ください。

関連Q＆A

まとめ

ラッキーフェス ひどいという初期の評価は、確かに根拠のあるものでした。50万円の貴賓席問題、4億円の赤字、運営の不手際など、多くの課題を抱えてのスタートだったのは事実です。

しかし、4年間の成長を振り返ると、その評価は大きく変化しています。特に以下の点で高い評価を得ています：

現在の評価ポイント

• ファミリー層に優しい環境づくり
• 着実な経営改善と黒字化達成
• 地域文化への貢献と経済効果
• 他フェスにない独自性の確立

筆者自身、初年度の混乱から現在の成長ぶりを見てきて、堀氏の「茨城のフェス文化の灯を消すな」という想いが着実に実現されていると感じています！

もちろん、まだ改善すべき課題も残されていますが、それらを含めても「成長し続けるフェス」として評価できるのではないでしょうか。特に子連れでフェス参加を検討している方にとっては、国内でも希少な「家族で楽しめる本格的な音楽フェス」として、一度体験してみる価値があるイベントだと言えるでしょう。

茨城のひたち海浜公園という素晴らしいロケーションで、多様な音楽と食、そして花火まで楽しめるラッキーフェス。その成長の軌跡を見守り、参加することで、日本の音楽フェス文化の新たな1ページを一緒に作っていけるかもしれませんね。